冬に多いSRSV食中毒! 〜小型球体ウィルスに気をつけましょう〜

ノロウィルス(小型球形ウィルス)SRSVって何?
 
Small Round Structured Virusの略で、小さい(small)球体(round)の構造をした(structured)ウィルス(virus)ということで、食品の中で大量に増える食中毒品とは違い、人の小腸粘膜でしか増殖することができないウィルスです。感染したからといって必ず全員に症状が出るわけではなく、抵抗力の個人差が影響します。

SRSVの感染症状は?
 
主な症状は、吐き気・おう吐・腹痛・下痢・発熱(30℃以下)で、潜伏時間は24時間〜48時間です。発病初期の症状は激烈ですが、通常3日以内で軽快します。主症状のほかに、頭痛。のどの痛みなど、風邪に似た症状が見られる場合もあります。

SRSVの発生状況は?
 
SRSV食中毒は、平成9年の食品衛生法施行規則一部改正によって報告が義務つけられるようになった比較的新しい食中毒です。11月から3月までの冬季に多く発生します。全国における食中毒発生状況(厚生労働省)によると、平成11年は116件、患者数5,216名、平成12年は238件、同7,772名、平成13年は268件、同7,335名で、発生件数の増加傾向が続いています。
 

SRSVの感染経路は?
 
SRSVによる感染経路は、汚染食品を介した経路と、感染者からの二次感染に分けられます。
【1】汚染食品を介した経路
食品とともに体内に取り込まれたウィルスは小腸粘膜で増殖し、おう吐および下痢を起こします。SRSVに感染・発病した人の便やおう吐物の中には、膨大な数のSRSVが存在しています。人から排出されたウィルスは、下水から河川を経て海に達した後、沿岸のカキなどの二枚貝の内臓に取り込まれます。SRSVに汚染されたカキを生で食べた場合、SRSVは人の体内で増殖し食中毒をおこします。
また、人から排出されたSRSVで汚染された下水や河川を介して環境を汚染し、野菜などの生鮮野菜にSRSVが付着している可能性も否定できません。感染者の便やおう吐物に触った手指を介して食品を二次汚染し、食中毒を起こした例も多数報告されています。
【2】感染者からの二次感染
SRSVは食品を介して感染するだけではなく、学校や保育園などの集団生活の場では人から人へ二次感染します。患者のおう吐物の処理が不十分だとウィルスが乾燥して舞い上がり、直接人の口から取り込まれて感染する可能性も指摘されています。
SRSVに感染した給食当番の児童を介して、クラスの児童の感染を広げた事例や、児童の便所に近いクラスでSRSV感染者が多発した事例も報告されています。後者の事例では、児童の上履きが便所でも使用されたため廊下や教室の床を汚染し、感染を広げたと考えています。

SRSVの予防は?
 
SRSV感染初期のおう吐物や糞便中には大量のウィルスが排泄されますし、症状が改善されてもウィルス保有者となることがあります。したがって患者本人のみならず患者を介護した調理者の手指を介して食品を汚染し、食中毒につながった事例が数多く報告されています。SRSVの大きさは約30mmと非常に小さいために、手指の汚染には格段の注意が必要です。そのためには手指の洗浄・消毒が重要であり、「手指を荒れさせない」注意も大切です。また、日常の健康チェックで本人の健康状態はもとより家族の健康状態からSRSV感染が疑われる場合は、調理など、食品を取扱う作業に従事しないことが重要です。

注意点は?
 
調理や食品の製造に従事している人は特に以下の点に注意してください
【1】
カキなどの二枚貝は中心部まで十分に加熱して食べること。湯通し程度の加熱ではウィルスは死にません。
【2】
感染者の便やおう吐物には触れないこと。
【3】
用便後の手洗いを十分にすること。用便後、手洗い前の手でドアのノブ等を触らないこと。
【4】
調理器具等の洗浄消毒を十分にすること。
【5】
加熱済みの食品は素手で扱わないこと。ゆでた野菜を水冷する場合はとくに注意してください。

感染者からの二次感染を予防するためには以下の点に注意してください
【1】
おう吐物や便で汚染された衣類等の片付けには、ビニール手袋、マスクを使用すること。
【2】
おう吐物などの片付けに使用した用具や雑巾などは、消毒剤(次亜塩素酸ナトリウム溶液)に浸漬した後に洗うこと。
【3】
おう吐物などで汚染された床は、消毒剤(次亜塩素酸ナトリウム溶液)を含ませた布で覆い、しばらく放置した後に清掃すること。
【4】
おう吐物や便に触れた場合は、手洗いを十分にすること。また、飛沫を浴びている可能性もあるのでうがいをすること。





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